新年度を迎え、企業の法務担当者・経営者の皆様が把握しておくべき主要な法改正をまとめました。適切な対応を講じることでリスクを回避し、安定した事業運営の基盤を整えましょう。

1. 会社法関連——株主総会・取締役会の電子化加速

2026年度は、株主総会資料の電子提供制度がさらに普及するフェーズとなります。改正会社法(2021年施行)による電子提供制度は既に義務化されていますが、実務上の定款変更・株主への周知が遅れている企業も散見されます。株主総会前には必ず定款規定と実務フローを見直してください。

また、社外取締役の員数・要件に関する実務基準についても継続して確認が必要です。上場会社については東証の改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応状況を改めて点検しましょう。

2. 金融商品取引法——インサイダー取引規制の拡大

金融商品取引法のインサイダー取引規制については、近年の改正により「重要事実」の範囲が拡大されています。M&Aの検討段階における情報管理の不備は、役職員個人の刑事責任にもつながりうる重大リスクです。M&Aや業務提携を検討する際は、情報管理規程の整備と関係者への教育を事前に行うことを強くお勧めします。

3. 個人情報保護法——3年ごと見直しの対応

個人情報保護法は3年ごとの見直し規定があります。現行法のもとでは、以下の点が特に企業において課題となっています。

  • Cookie等の技術的手段による個人関連情報の取得と第三者提供の際の本人同意
  • 外国にある第三者への個人データ提供時の確認・記録義務
  • 漏洩等の報告義務(個人情報保護委員会への報告・本人通知)
  • 不正競争防止法との連携による営業秘密・限定提供データの管理

上記について社内規程・プライバシーポリシーが最新の法令に適合しているかを必ず確認してください。

4. 景品表示法——課徴金制度の運用強化

2023年に改正された景品表示法により、確約手続制度が導入されるとともに、課徴金制度の適用が積極化しています。特にECサイト・比較広告・インフルエンサーマーケティングを活用している事業者は、表示内容の適正管理を徹底してください。不当表示(優良誤認・有利誤認)は課徴金(対象期間中の売上額の3%)の対象となります。

5. 取引適正化法・フリーランス保護法

2024年11月に施行されたフリーランス保護法は、フリーランスへの業務委託に関するルールを定めています。書面交付・報酬支払期日の遵守はすべての発注事業者に義務付けられており、ハラスメント対策については従業員を使用する事業者が対象となります。

まとめ

法改正への対応は「後手に回らないこと」が肝要です。問題が表面化してから弁護士に相談するのではなく、顧問弁護士と定期的にコミュニケーションを取り、予防法務の観点から体制を整備していくことをお勧めします。当事務所では法改正の動向を踏まえた顧問サービスを提供しています。ご不明な点はお気軽にご相談ください。